214、リーダーの役割は社員にやる気をださせること

 

こんにちは。くらもとたいしです。

 

愛知県にある会社の社員の人から面白い話を聞きました。そこは古くから続く家族経営の会社で、典型的な日本の会社の形態をしていると言います。結論から言うと社員は心からその会社を愛していて、離職率が極端に少ないとのことです。

ここで私は日本企業にありがちな”定年までなんとか企業のお世話になれれば良い”と言う考え方が社員に蔓延している会社なのと思ったら、その正反対でした。彼らはやる気に満ち溢れていて、なんとか会社に貢献しようと働き、そして助け合うというのです。

そのチームワークは縦だけの繋がりではなく部門間を超えた横のつながりにまで効果を発揮していると言います。そこで私は何がその環境を作ったのかと質問したところ、彼からは会社の文化がすでにそのような雰囲気を作り出していると言います。つまり強制されてその文化に染まるのではなく、自然とその文化が社員一人一人に染み込んでいるということです。

本日のテーマはやる気です。今私たちはクリエイティビティとチームワークが重視される社会にいます。そんな中で勝ち残っていくのは、西洋のような個の力を重視した会社なのではなく、このような集団が強い会社のなのかもしれません。

それでは見ていきましょう。

<Sponsored Link>


 

【リーダーの役割は社員にやる気をださせること】

 

一般的な研究で、社員がやる気を感じている時、仕事のパフォーマンスや仕事への充実感、組織へのコミットメントがますと考えられています。

そのためリーダーは社員をやる気づけるために、権限を大きくしたり意思決定に参加させる、大切な情報をシェアするといったことを実践しています。しかし私たちは研究からいつもこの方法がベストであるということではないことがわかりました。

 

私たちの研究は西洋・東洋含む30カ国の30,000人以上を対象にした実験を行いました。やる気が本当に仕事へのパフォーマンスに影響を与えるのか?と言ったことやリーダーは社員にやる気を与えることで何が起きるのか?どのような仕事をしている時に、やる気は効果を発揮するのか?といった複数の項目を調べています。

まずはじめにわかったことは、リーダーが社員にやる気を起こさせることで、ルーティンワークよりもクリエイティブな仕事やチームワークの時に効果を発揮したということです。

次に社員がやる気を発揮するか否かは、リーダーがどれだけ社員から信頼されているかに大きく影響していたということです。

そして最後に東洋の方が西洋に比べて、このリーダーが社員にやる気をださせることでパフォーマンスが左右することがわかったのです。ではもう少し詳細を見ていきましょう。

 

<やる気はクリエイティブやチームワークに影響をもたらす>
リーダーが社員にやる気をもたらすことができると、以下の効果を期待できることがわかりました。それは新しいアイデアを生み出すことができたり、職場の雰囲気をコラーボレーティブな空間に生み出すことができたります。そしてそれは自発的にサポートし合うチームになるということにつながったのです。

そしてこれにはリーダーは社員から信頼されていることが条件になります。なぜならリーダー一人がやる気を出していても、そこに信頼関係が成立していなければやる気の伝播は社員に起こりません。またリーダーが声高に社員にやる気をださせようとしても、信頼関係が成立していなければ、不信感を生むだけになってしまうでしょう。最低条件はリーダーは人から好かれているかによって変わってきます。

もちろんこのような状況はクリエイティブやチームワークだけに作用するわけではありません。ルーティンワークのような仕事にまでも効果をもたらしてくれます。なぜならやる気が出ることによって、ルーティンワークのようなあまり生産性を感じないものであっても、この仕事には意義があると思って取り組んでくれることが起きうるからです。

 

<しかしやる気はいつもルーティンワークの効果を高めてくれるとは限らない>
確かにやる気が高まると様々な面で仕事効果が高まります。しかしここで気をつけなければいけないことは、社員の限度を越さないことです。ついやる気の溢れている社員はオーバーワークをしてしまいがちです。しかしオーバーワークでは一過性のやる気しか継続することはできません。

反対にバーンアウトなどを引き起こしてしまっては、負の面が強くなってしまう危険性もあります。特にルーティンワークのような仕事を多く与えてしまうと、ストレスが積み重なり、そのような現象が起こりやすいと考えられています。

 

<リーダーのやる気は西洋より東洋思想に伝播する>
これは人によって様々かもしれませんが、東洋に住んだことがある人であれば納得していただけるのではないでしょうか?一般的に東洋は集団を意識します。反対に西洋は個を意識します。これは昔からの私たちのDNAにも組み込まれていることなので、簡単に変化をさせることはできません。

このことを踏まえて考えると、東洋はリーダーの言動に敏感になることがわかるでしょう。したがって調査からも西洋はあまりリーダーの働きに影響されないのとは反対に、東洋ではリーダーが優秀でエネルギーに溢れていれば、社員もそれに比例してやる気に溢れます。一方でリーダーシップが欠けていたり、やる気がないリーダーのもとにいる社員からはやる気を感じ取ることが難しくなります。これは集団を意識する東洋ならではの反応かもしれません。

 

このようにやる気は限度を越さなければ有効に働くことがわかりました。またこれは個人レベルの問題ではなく、チームビルディングにも効果的なのです。現代で働く上でクリエイティビティーとチームワークを抜きに語ることはできません。東洋と西洋で多少の差はあるにしても、リーダーの働きは社員に対してやる気をださせることも大切な働きであることを理解しておかなければいけません。

ありがとうございました。

<Sponsored Link>


Follow me!