222、Volvo復活の舞台裏

 

こんにちは。くらもとたいしです。

 

伝統的な企業が長年成功し続けるためには何が必要なのでしょうか?京都で創業約600年の会社の会長の人に話を聞いたことがあります。

「なぜ600年もビジネスを成功させることができているのですか?」「先人が受け継いできた理念を軸に、時代にあわせて商品やサービスを変えてきたからです。変革なくして成功はありえません。」

このような言葉をいただきました。私たちは立ち止まらず、常に時代に合わせてアップデートしていかなくてはいけません。

それでは見ていきましょう!!

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【Volvo復活の舞台裏】

 

多くの伝統ある会社は、組織の機敏性を高めたり、タレントファーストの組織作りを再構築したいと考えています。しかしそのような考えの人がCEOになった時に、まずはじめにぶち当たる壁は、既存のチームにそのような考え方をしている人たちがいかに少ないかを自覚し、また組織自体がメタボリックになってしまうことを知るのです。

 

Volvoは近年までこのような状態でした。彼らのブランドは変わることができない岩のようであると言われていたほどです。なるほど、確かにVolvoの立ち位置はベンツやBMW、Audiといった高級車と横並びに考えられることはありませんし、かといってTOYOTAやGMといった大衆向けのマス生産が可能な会社でもありませんでした。

そこで2010年を期に(Volovoが中国の会社に買収されたのを期に)、CEOのStefan Jacoby氏とCHROのBjorn Sallstorm氏は大きな構造改革を実施しました。結果は今日のVolvoの成果を見ていただければわかると思いますが、彼らの改革は大成功を収めました。彼らのブランド価値は高められ、テクノロジーにおいても最先端の車会社の一つとして、今を走ることができています。

 

それではVolvoはどのような戦略をとったのでしょうか?私たちの調査の結果からみると、人材に焦点を当てて変革が行われてきました。これはCHROのSallstoymがイニシアティブを握ったタレント人材の発掘です。ここでいう発掘とは、自動車業界の中から優秀な人材を発掘するといった方法ではありません。

例えばシリコンバレーのエンジニアを採用し、ハードウェアの研究だけではなく、ソフトウェアの研究に取り掛からせました。またGoogle出身のセールスやマーケターなどを採用し、今までの販売戦略を見直したのです。そしてファッション業界からも人材を採用しています。彼らによってUXなどの向上に力を入れてきました。

 

このように様々な業種のプロフェッショナルを採用することで、今までの自動車業界の考え方を新しく塗り替えるような改革を次々に行っていったのです。2011年から2015年の間に約3000人もの人材を採用したとされています。

 

もちろん既存の社員に対しての投資も忘れていません。彼らには特に起業家としてのマインドセットに変えるようなプログラムを実行してきました。これは伝統的な企業に起こりえることですが、企業が大きくなると役割が分業化され、自分で何かを考えるといったことをしなくなってしまう傾向に陥ります。これを危機とし、Volvoは当事者意識としてこのようなスキルを育ませていきました。

 

自動車の販売台数を見てもVolvoのリバイバルはみてとれます。2010年にはおよそ373,000台数だったのが、2017年にはおよそ571,000台数と、2倍近い成長を成し遂げることに成長したのです。特に堅調に彼らの成功が見えたのXC 90 SUVが発売された時かもしれません。彼らは自動車の競争市場に帰ってきたのです。

 

このような伝統的な企業が大きな変革を行うことは簡単ではありません。しかしVolvoのように大きく組織を改造し、既存の考え方をリニューアルさせることで成功を収めることができることを知っておかなければいけません。

ありがとうございました。

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