245、どうやってオーガニックワインは自身のポジションを獲得したのか

 

こんにちは。くらもとたいしです。

 

新しいカテゴリーにて自身のポジションを獲得することは簡単ではありません。なぜならそこには反対勢力やセルフブランディングなど、超えなければいけないかべが幾重にもそびえているからです。それではどのようにすれば自身のポジションを確立することができるのでしょうか?それは自分たちの外・内どちら側とも条件が揃わなくてはいけません。

それでは見ていきましょう!!

<Sponsored Link>


 

【どうやってオーガニックワインは自身のポジションを獲得したのか】

 

最後に飲んだオーガニックワインの記憶はありますか?なくても大丈夫です。なぜならあなた一人ではないからです。ワイン生産全体の約5%以下が、オーガニックワインを作っているファームとされています。

アメリカでは約1%程度しかオーガニックワインが消費されていませんでした。ワイン製造者たちは多くの投資を下にも関わらず、成功を収めることはできていなかったのです。

一方でオーガニック野菜やミルク、お茶などは世界的に大きなトレンドを生んでいます。オーガニックワインとは対照的に、なぜ他のオーガニックはポジションを取ることに成功したのでしょうか?

 

まず私たちは、なぜオーガニックワインがポジションを取ることができなかったかを考えてみなければいけません。状況としては過去10数年を振り返っても成功しているとは言えませんし、今尚もがいているような状況にあります。では何が原因だったのでしょうか?

 

まず環境問題とともにオーガニックという考えられ方が広まってきたことを紹介しておきます。環境問題が健康などに被害を及ぼすことが認められ始めてから、オーガニックという考えられ方が広まっていきました。オーガニックワインもこの時期から本格的に醸成され始めたのです。時代の影響からもオーガニックワインも同じく波に乗ることができました。

 

しかしすぐにオーガニックワインだけはそのトレンドから外れてしまいました。理由は複数点考えられています。まずは既存のワイン醸成者からの反発です。オーガニックワインが勢力をましているのを感じて、他のワイン醸成者がオーガニックワイン普及の邪魔を始めたのです。醸成と販売に圧力がかかったことによって、オーガニックワインをリテールが取り扱うことが難しくなり、ディストリビュートしにくくなったのです。

2点目はクオリティーです。初期のオーガニックワインはビネガーの味がすると言われていました。つまりクオリティーが既存のワインに比べて低かったのです。消費者は健康とトレードオフで質を失っているとオーガニックワインは考えられていました。ワインは一般的には健康よりも娯楽の一部として考えられていたので、質に低いワインを健康のために飲むということがされにくかったのです。

結果的に他のオーガニック商品が通常の商品と比べてプレミアムな価格をつけることができていたにも関わらず、オーガニクワインは他のワインと比べて20%程ディスカウントされた状態でしか発売することができていませんでした。

 

しかし2010年代にターンアラウンドがおきました。パリやニューヨークの高級レストランでオーガニックワインが使われ始めたのです。もちろんそれ以前に味の改善は行われてきました。質を取り戻したオーガニックワインは高級レストランで扱われているというステータスを得ることに成功したのです。

2011年では約6%の生産量しかなかったオーガニックワインが、このトレンドによって2016年には約20%の生産量の増加にまで成功してきています。

 

何が起こったのでしょうか?前述の通り、味の質は大幅に向上しました。またそれだけではなく時代の後押しがあったのです。2010年代のオーガニックブームは大きな潮流となりました。地産地消の考えなどスモールエコノミーとしての考え方が賛同されていく中で、オーガニックワインの考えられ方がうまくフィットしていったのです。

 

新しいカテゴリーを根付かせることは簡単ではありません。共通の規範や定義の合意、明確な境界線など前提となるプロセスを周知させることはとてつもなくエネルギーを消耗するからです。またオーガニックワインの歴史を見てもわかる通り、短期間でこれらを根付かせることは容易ではありません。

新しいカテゴリーで成功するのであれば、自分たちの信念と持続可能性、そして時代のニーズが重なって初めて、新しいカテゴリーとしての地位を獲得することができるようになるのです。

ありがとうございました。

<Sponsored Link>


Follow me!