リーダーシップの歴史(前編)

 

本日2回目のテーマは、「リーダーシップの歴史(前編)」をみていきたいと思います。

時代によって求められるリーダー像は変わります。大昔を振り返ってみると、日本初めのリーダーは「卑弥呼」ではないでしょうか?なぜ彼女はリーダーになることができたのでしょうか?なぜなら彼女は神の言葉を聞くことができたからです。

しかしそれが今の時代に通用するでしょうか?確実にそうはなりません。このように時代時代の背景によって求められるリーダーシップ像は異なるのです。

今どのようなリーダーシップのスタイルが求められているのかを知るのには、まずは過去どのようなリーダーが支持されてきたのかを知る必要があります。

 

前回第1回目は、「リーダーシップとは何か?」について深化させていきました。そこではリーダーシップとは、

他者に対して変化・影響を及ぼし、動機づけ与えること。

このように誰かに影響を与え、行動を変えるところまでがリーダーシップの役割です。リーダーシップではその振る舞い自体が求められるのではなく、振る舞いによって相手の行動を変化させた結果が求められると定義付けました。

本日はこの定義をベースに、時代時代のリーダーシップはどのようなモノであったのかを近代からみていきたいと思います。

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  • リーダーの「個性(Trait)」の理論 (1940~)

この時代リーダーを務める人は、他の人と比べて特異でユニークな資質・人格があることが前提でした。いわゆる先天性のカリスマを求められていた時代です。特異な個性に注目が集まっていたということができるでしょう。この個性の時代に求められていたのが以下二つの条件で、

  1. リーダーシップエマージェンス:この人がリーダーだと事前発生するリーダーシップ
  2. リーダーシップエフェクティブネス:役職などのように、すでにリーダーが決まっている

結果として普遍的な、これがリーダーだという個性はほとんど見つかっていないのが現状で、個々人がそれぞれ異なったリーダーシップを発揮していた時代です。

 

  • リーダーの「行動(Behavior)」の理論 (1960~ )

次に生まれてくるのが、リーダーシップ行動の定量化を定めることで、望ましいリーダーシップ行動を検証する時代です。いわゆる戦後であらゆるものがシステム化されてきた時代に起こり得たものです。

そこではLeader Behavior Description Questionnaire(LBDQ)と言ったような、リーダーが期待される行動の定量化されていました。マス生産のリーダーシップとも呼ばれるくらいの、個性の時代とは正反対のリーダーシップ像です。

結果として、リーダに求められるものがわかりやすく時代と合致はしていましたが、リーダーシップのためのリーダーシップ、つまりそれが自体が目的になってしまったので、部下への行動スタイルに注目するも普遍的に有効とはいえないモノでありました。

 

  • コンティンジェンシー理論 (1960・70~)

LGDQとほぼ同時期に唱えられた理論です。コンティンジェンシーとは条件と言った意味で、リーダーの個性・行動の有効性はときどきの状況・条件に帰属するといった理論です。有効な理論として多くの研究されましたが、条件の複雑・多様性に個性・行動のスタイルが限定されてしまうことからアカデミックの部分では浸透しきれないといった問題がありました。

 

  • リーダー・メンバー・エクスチェンジ(LMX) (1970・80~)

リーダーシップの歴史(前編)の最後は、リーダーとメンバーの心理的な交換・契約関係から生まれてきたリーダーシップです。今までの理論では、ある個性・行動スタイルを持つリーダーは、そのスタイルがメンバーに同じように影響を与え・関係性を築き上げることが期待されていました。

しかしLMX理論では、リーダー=メンバーの関係を暗黙の交換・契約関係とみなすことで成り立っています。つまりリーダーはあるメンバーに業務・権限を与え、リーダーはメンバーに一定のパフォーマンスを期待し、報酬・評価を決定する方法です。(今行われているリーダーシップに一番近いものがあります)

メンバーとしての機能は、リーダーが自分の期待する仕事を与えてくれるか、適切な評価をしてくれるか観察することです。ここで両者の心理的な交換・契約関係は日々の業務のプロセスの蓄積ということができ、うまく機能すれば質の高い交換関係(High-quality Exchange)に繋がり、うまく機能しなければ質の低い交換関係(Low-quality Exchange)になります。

また質の高い交換関係は組織のだれとでも築くことができます。例えば、部下の課題や悩みを引き出すアクティブ・リスニングや、でてきた課題に対してリーダー自身の考えを押し付けないなど。またメンバーへの期待をメンバー自身とシェアする。(質の低い関係であったメンバーほど改善がみられる)などをみることができますが、結果としては、心理的な交換関係だけで説明できるものなのか?といったまだまだ追及の余地が残されている理論になります。

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第3弾はリーダーシップの歴史(後編)をみていきたい思います。今回の前編をみていただいて、「少し古臭いな…」と思った人も少なくはないはずです。約50年間でリーダーシップの形は大きく変化してきたと言われています。後編では前代のリーダーシップにも繋がる理論が出てくるので、今何を求められているのかを知るには、良い機会です。ぜひ一緒に深化させていきましょう。

 

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