644、クリティカルシンキングを鍛えることがたった3つのサンプルな習慣

 

こんにちは、くらもとたいしです。

 

クリティカルシンキングは数年前からビジネス書などでもバズワードになっています。言われたことを作業的にこなすことが仕事だった時代は終わりました。

これからは今までの世になかった価値を各個人が創造するのを求められる時代です。そのためにクリティカルシンキングは鍛えておきましょう。これは鍛えられるスキルです。

それでは見ていきましょう!!

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【クリティカルシンキングを鍛えることがたった3つのサンプルな習慣】

 

数年前のお話です。ある消費財メーカーのCEOは私に向かって、「我々はマーケットリーダーになれる。なぜなら競争優位な商品が売れているおかげだ。そしてこれをスイッチするのにコストもかかるため、消費者は我々の商品を使い続けるだろう。」と話していました。

しかし数ヶ月後、ある巨大消費財メーカーであるP&Gによってその状況は覆されました。

 

このように自分が予期していたこととは全く違う結果になることは簡単に起こりえます。何が原因なのでしょうか?環境の変化、例えば今ではテクノロジーの変化によって、今までのポジショニングが簡単に起こるようになってきました。

しかし今までの私の経験上これが全てはありません。むしろ彼らに欠けていたのは、クリティカルシンキング(批判的思考力といい、以下CTと表記)なのです。

CTが重要であることは知られています。しかし多くの場合ではじめの印象や良い面だけを見たデータでの判断など、CTを無視してきたのです。もしくはCTが十分に自分たちのスキルとして成長してこなかったのです。

 

グッドニュースがあります。それはCTは鍛えることができる能力だということです。そしてそれは実にシンプルな方法です。その方法とは大きく3つに分かれています。

1.質問の仮説をたてる

2.ロジックの通る理由を集める

3.多様性な考えを受け入れる

 

そんなこともうやっている…と思われたかもしれません。確かに既にこの考え方をしている人は少なくないはずです。しかしまだそれでは十分ではないのです。なぜならCTは時間をかけて高まっていくスキルだからです。今やっていることが徐々に形になってきます。それではもう少し詳しく3つの方法を見ていきましょう。

 

1.質問の仮説をたてる
私が会社の立て直しのサポートをするとき、確実にすることはいま会社が立てている仮説は何かを質問することです。例えばある企業が中価格帯の衣料品を販売するリテールストアを複数経営しているとします。彼らの仮説は、消費者は少し値段が張っても少しいいものを着たいと思っている、でした。

しかし私がそのショップを回ったところ、消費者の傾向は、衣服にあまりお金をかけることができない層が集中していたことがわかりました。このように仮説が間違っているため、適切な戦略を立てることができていなかったのです。

もちろん全ての事象がこのように簡単に解決するわけではありません。しかし物事は一見複雑に見えるものも、細分化すると実はシンプルな事象の集合であったりするのです。そのため常に仮説を立てることが大切です。

もう一つの仮説は、万が一のことを仮説として立ててみることです。そうすることで、より深い仮説を立ててそれを検証していくことができるようになります。

 

2.ロジックの通る理由を集める
ランジェリーブランドをコンサルティングしていた時です。同社は数年前から売上不振にあげいており、経営陣もその理由をつかめていませんでした。彼らの売上不振の理由をつかめなかった原因は、間違ったロジックで物事を考えていたからです。

その間違いとはインターナショナルブランドである同社の消費者は同じ嗜好傾向にあると間違って理解していたことです。しかしデータを集めてみて正しくロジックを組み立てていくと、同じヨーロッパ圏でも全く違う嗜好傾向にあったことがわかりました。

例えばイギリス圏の女性は、レースのついた鮮やかな色のブラジャーを好む傾向にあります。一方でイタリアの女性はレースのないベージュのブラジャーを好むといった、正反対ともとれる傾向にあったのです。またアメリカではスポーツブラが売れていることもわかっています。つまりこのランジェリー会社はボトムラインからロジックを正しく積んでいく必要があったのです。

ラッキーなことにロジックを積むことが正しいことは、2000年もの前のアリストテレスの時代から言われています。ロジック立てて戦略を練ることが、結論にたどり着くまでに必要な考え方だったのです。したがってこの戦略ロジックチェーンに注意を払う必要があります。

一つのエビデンスだけでなく複数のエビデンス、かつ周囲のエビデンスと照らし合わせたときにロジックが通っているか?ここを考えていかなければCTは養われません。

 

3.多様性な考え方を受け入れる
数年の間、私はマッキンゼーのトランスフォーメーションチームで唯一の女性でした。かつ私はアジア人でもあるため、マッキンゼーの中でもアジア人女性と稀有な存在だったのです。私はチームのメンバーとは違ったバックグランドを持っていることをアドバンテージとし、彼らとは違った考え方を提案することを心がけていました。

これは混乱を起こそうとしていたわけでもなく、もちろん自分は全くの特別な存在であることをアピールしたいわけではありません。複数の考えが交わることによって、多様性を高めることを目的としていたのです。みんなが同じ考えをもってそのまま同じ方向に向かっていくことは簡単なことです。

しかし常に同じではそれ以上の進化はないということです。考え方が違うことを認め合い話し合うことは簡単なことではありませんが、多様な考え方を複数の視点から考えることによってCTも強化されていきます。

これは自分のコンフォートゾーンから一歩抜け出すこととよく似ています。初めは簡単なことで構いません。例えば普段一緒にランチに行かない人を誘ってみたりするのでも良いのです。そして自分とは意見が違うなと思ったらそれをメモしておきましょう。そのメモをあとから考えるのです。またそれをもとにチームで考えてみるのも面白いかもしれません。

 

以上の3つのシンプルな考え方を見てきましたが、これを読んでいただいた人もすごくシンプルだと感じたのではないでしょうか?しかしそれを実際に実践している人はかなり稀です。

しかしCTがビジネスを含む全てにおいて重要であることは間違いないでしょう。会社の規模や役職の有無に関わらず、各個人が確実に伸ばすべきスキルではないでしょうか?

ありがとうございました。

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