モチベーションの考え方

 

本日第6回目のテーマは、モチベーションの考え方について考えて見たいと思います。

 

第1回と2回で「モチベーションとは何」かや「モチベーションの種類」について簡単に説明させていただきましたが、本日は今市場ではどのようなモチベーションの考え方が採用されていて、今後どのように移行していくのかについて見ていきます。

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はじめにモチベーションとはどのような状態なのかを見ていきましょう。まず私たちの中にはやる気というものがあります。そのやる気が瞬間的であるならば、それはテンションが高いという具合に分類されます。

一方でやる気が一時的もしくは継続的であるならばそれはモチベーションに分類されます。私たちは物事を完遂する上で継続的なモチベーションを発揮しなければいけません。

そしてそれがさらに昇華した形が、半永久的な効果を持つパッションに分類されていくのです。自分の人生をこのテーマについて掘り下げたい、貢献したいと思い、行動することがパッションと呼ばれるもので、私たちが生きていく上で目指したい指標になるということができるはずです。

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それでは今市場ではモチベーションはどのように考えられているのでしょうか?私たちのモチベーションは大きく分けると3つに分かれています。

まず一つ目が、モチベーション1.0です。このモチベーションは、人類が生き残るために形成されたモチベーションで例えば原始時代の狩猟や災害からの身を守るために働いているものと考えられています。現在の日本においてはあまり重要視する必要のないモチベーションの種類であると考えられますね。

二つ目がモチベーション2.0という考えられ方です。この考え方は古くはイギリスの産業革命以降全世界に広がったと考えられています。このモチベーションは外発的動機付(ニーズ理論・期待理論)がベースになっています。当時効率化が追求されていた中で、いかに人が機械的に動くことができるかがポイントでした。したがって金銭や報酬などがインセンティブになっていた時代です。

三つ目がモチベーション3.0です。この考え方はダニエル・ピンク氏の著書『モチベーション3.0』の中で推奨されている考えられ方です。内発的動機付(職務特性理論・ゴール設定理論・社会認知理論)がモチベーションを高める動機になっているいう考えられ方です。この場合のインセンティブは金銭などの報酬ではなく、自分がやりたいからやっているといった自発的なモチベーションの考えられ方が基本となっています。

最後にモチベーション3.5です。この考えは私の考えとこれからの時代の流れから鑑みたものとなりますが、今後私たちは、PSM(プロソーシャルモチベーション)×内発的動機付が重なり合ったモチベーションの考え方をしていかなくてはいけない時代になってきます。

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一方で今多くの企業が推奨しているモチベーションの考え方はこの中から考えるとどのモチベーションに当てはまるでしょうか?そうです、残念ながら多くのシステムは依然としてモチベーション2.0をベースとしているのです。

テック系の企業やベンチャーなどではモチベーション3.0の考えられ方になっているところも最近は増えてきていますが、依然としての絶対数はモチベーション2.0を基本に考えられています。

 

しかし21世紀のモノが充実している時代(特に先進国)の人にとって、外発的動機付ではモチベーションを高めることができなくなってきた、いわゆるモチベーション2.0の崩壊がおこってきています。

2007年のAppleの初代iPhoneがリリースされた時のことを想像すると簡単かもしれません。それ以前までの考えられ方は“いかに優れたプロダクトを作ることができるか?”に焦点が当てられていました。

しかしスティーブ・ジョブズは、もちろんプロダクトのクオリティーは重視していますが、それ以上に“いかに私たちは世界を変えることができるか?”に焦点を当てていました。つまりWHATからWHYに考えられ方がシフトした瞬間です。これは同時にモチベーション2.0から3.0にシフトした瞬間であるともいうことができます。モノから意義に考えられ方が変化したのです。

 

これから私たちの仕事においてもモチベーション3.0の考えられ方が求められてきます。なぜなら私たちの仕事に求められることは効率性や生産性を求められるだけではなく、イノベーティブやクリエイティブの能力が求められるからです。

第二回:モチベーションの種類の中で説明した、「The Candle Problem(ろうそくの問題)」でも確認しましたが、私たちは金銭や報酬のインセンティブではクリエイティビティーは上がらないことがわかっています。むしろ無報酬でその問題に対する好奇心を高めた方がクリエイティビティーは上がると考えられているのです。

内面から湧き上がる満足感であるモチベーション3.0が、今後私たちのモチベーションにとって代わられることと考えられています。

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その中でも特に持続性が高く生産性も高い人々はPSMを有している人たちです。その人たちの状態をモチベーション3.5とここではよんでいきます。なぜPSMなのか?なぜならばPSMは「他者視点のモチベーション」だからです。研究の中で、自分に対してのモチベーションが上がることと、相手に対してモチベーションが上がることのどちらが持続性が高いのかを調査したところ、相手に対しての貢献の時がもっともモチベーションが継続したことがわかったのです。

つまり私たちは存在意義や社会的意義を見出した方が、モチベーションが長続きするのです。皆さんも何か夢中になれるものを探したい。そしてそれを人生の仕事にしていきたいと考えているならば、金銭などのことは一端置いておいて、「自分がワクワクすること×社会的・存在意義を感じることのできるコト」を探してみてはいかがでしょうか?

 

もちろん簡単に見つかるものではありませんし、もしかすると一生見つけることができないかもしれません。そもそも内発的動機付けってどういうこと?と思っている方も少なくないと思います。

 

したがって次回は”内発動機付けの構成要素”をテーマに見ていきたいと思います。この連載はFacebookページ「毎日ビジトピ(@mainichibiztopi)」で更新のお知らせをしていきます。「この掲載が役に立った!!」という人はぜひいいねコメントシェアをしてください。またこのFacebook上でフォローしていただけると、更新通知が届きますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。

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