ブロックチェーン7つの原則 -Block Chain Revolution-
前回の第一弾では、ブロックチェーンとは信頼のプロトコルというタイトルをもとに、これまでのインターネットの振り返りをしながら、新しい可能性を秘めたブロックチェーンとはどのようなものなのかを見ていきました。
読んでいただけた皆さんは、ブロックチェーンがただの一過性のブームではなく、新しいインフラになる可能性があることを感じていただけたのではないでしょうか?(まだ第一弾を読まれてない方は先にこちらを読んでくださいね)
今回第二弾では、ブロックチェーンがなぜここまで注目されているのか?今までのシステムがブロックチェーンに変わることによって、具体的にどんな変化があるの?といった部分を紐解いていきたいと思います。
■ブロックチェーン7つの原則
ブロックチェーンは7つの原則で今成り立っています。ここが従来のインターネットの違いです。インターネットにももちろん原則はあります。だからこそ私たちの生活はここまで大きく変化することができました。
しかしインターネットには前回も指摘していたように不完全な部分がまだまだあります。そこを補おうとしているのがブロックチェーンです。ではその原則がなんであるのかを見ていきましょう。
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<信頼>
ブロックチェーンは嘘をつかないネットワークであるということができます。
なぜか?理由は簡単でシステムが分散しているから、データを改ざんしようとしても単体ではほぼ不可能であるし、仮に改ざんが成功しようとしても圧倒的にコストパフォーマンスが悪いからです。ブロックチェーンは悪いことを行うより、良いことをする方が生産的であることを保証してくれているのです。
残念ながらインターネットではいわゆる悪いことでお金を稼ぐことは難しくありませんでした。信頼という面でブロックチェーンは大きなアドバンテージを持っているのです。詳細は本書に書かれているのが、前回も紹介したP2Pネットワークと暗号技術、そしてマイナーと呼ばれるデータを入力してくれるシステムのおかげなのです。
<権力>
ブロックチェーンは権力を一極集中から分散型へ変化させます。
なぜならブロックチェーンのシステムには管理本部のような機能は存在していないので、利用者各々がデータの管理者だからです。もちろん自分たちのプライバシーを守るために暗号鍵と呼ばれる2つの鍵を有しています。つまり私たちは各々ブラックボックス化させた情報を全員で共有しているということです。
日本にいるとあまり意識することはないかもしれませんが、一部の国では市民が頑張って貯めた少量のお金を政府の改ざんにより奪われてしまうといったことが現実に起きているのです。これは権力が一極に集中していることの弊害です。
<インセンティブ>
ブロックチェーンは利己的な行動が全体の利益になるシステムです。
先ほどマイナーという単語を出しましたが、マイナーとは採掘者という意味で、私たちのデータをせっせと積み重ねていき、一つのブロックとして形にさせていく働きを表すものです。これによってマイナーは報酬をえます。報酬をえること自体は完全なる利己的活動ですが、ブロックチェーン全体で見てもこれはシステム構築に役立っているので全体のシステムの利益になっているということができるのです。
また良い活動をすることによって、データとして信頼が高まって行くので、良いことは良い、悪いことは悪いとうまく判断されるシステムなのです。
<セキュリティ>
ブロックチェーンは不正のできないプラットフォームです。
先ほど暗号技術と述べましたが、ブロックチェーン内ではPKI(Public Key Infrastructure)という技術を採用しています。ようは公開鍵と秘密鍵二種類の鍵を持っていると理解いただければ結構です。公開鍵とは言葉の通り自分の情報を公開することのできる鍵です。秘密鍵とは、例えば誰かにお金を送りたい場合に使用する鍵です。
秘密鍵は誰にも知られてはいけません。なぜならそれが本人であるこことの証だからです。また無くしてもいけません。なぜなら全体の管理者がいないので、鍵をなくしたら誰もその人を自分であると証明してくれる人がいないのですから。
<プライバシー>
ブロックチェーンでは個人情報をブラックボックス化できます。
そして自分の情報は自分でコントロールできるのです。つまりその時に必要な情報以外は晒さなくて良いということです。例えば自動車の免許証は、個人名・本人写真・生年月日・現在住所など様々な情報が記載されています。本来自動車を運転できることだけを証明されていれば良いもののはずなのにです。
普段私たちは予想以上に自分の個人情報を晒しています。しかしブロックチェーンでは自らの情報をブラックボックス化し、かつそれを鍵でブロックしているため、必要以上に情報を晒さなくて良いのです。
<権利>
ブロックチェーンはスマートコントラクトによる明確化と自動化を可能にします。
今までの少しまとめ的なものになりますが、ブロックチェーンはデータがブロックとして保存されていきハッシュ化しながらデータは残っていきます。つまり今までの行動が全て記録されていき、かつそれは自分しか見ることができないように設定されています。
つまり自分のものは自分で使える、言い換えると人のモノを勝手に使うことができないようなシステムになっています。
<インクルージョン>
ブロックチェーンは格差を解決するデザインをしています。
ブロックチェーンを使用できる人は一部の権力者や今までインターネットを使用してきた人たちだけではありません。世界中の人全てが対象です。世界にはまだまだ銀行口座を開くことができない人であったり、国のミスや操作で財産を失う人がいます。
そのような格差をブロックチェーンではなくそうとしています。権力が分散していることによって、一部の権力者だけが恩恵に預かるような仕組みではなくなっているのです。これからブロックチェーンが普及することによって本当の意味で、平等な社会が訪れてくるのかもしれません。
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以上ブロックチェーン7つの原則を見ていきました。いかがでしたか?ブロックチェーンがどのような原則のもと動いているのかを少しは理解いただけたのではないでしょうか?インターネットが実現しえなかった信頼や平等な世界をブロックチェーンは生み出すことができるかもしれないのです。
次弾ではブロックチェーンは世界をどう変えるのか?を見ていきたいと思います。実際この技術が普及したことでどのような変化を私たちが体験することになるのかを、具体的に見ていきます。例えばすでにdapps※と言う形でブロックチェーンのシステムは広がり始めています。
※dappsとは:分散型のアプリケーションで、ブロックチェーンの技術を使用した中央に管理者の存在しないアプリケーション
このブログでは『BLOCK CHAIN REVOLUTION』(著:ドン・タプスコット、アレックス・タプスコット)を数回に分けてまとめたものを紹介しています。全てを網羅しているわけではなく、なるべくブロックチェーンについて簡潔にまとめているので、全てをカバーしているわけではありません。私のまとめを見てブロックチェーンに興味が出てきた!!という人は是非実物を購入して見てください。ハードカバー・Kindle版ともにAmazonで買うことができます。早速第一弾掲載後本書を購入されている人がいらっしゃいました。ぜひ感想も合わせてコメントなどいただければと思います。一緒に理解を深めていきましょう!!
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