ブロックチェーンはどう世界を変えるのか?(前編) -Block Chain Revolution-

 

前回の第二弾では、ブロックチェーン7つの原則というタイトルをもとに、なぜブロックチェーンがこれまでのインターネットをしのぐ力を秘めているのかを7つの観点から紐解いていきました。

読んでいただけた皆さんは、ブロックチェーンがただの一過性のブームではなく、新しいインフラになる可能性があることを感じていただけたのではないでしょうか?(まだ読まれてない方は先に第一弾第二弾を読んでくださいね)

今回第三弾では、ブロックチェーンが活用されることによって例えばどのようなシステムが取って代わられるのか?またどのような会社が大きな変革を遂げうるのかを具体的に紐解いていきたいと思います。

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■ブロックチェーンは世界をどう変えるのか?

-金融-

世界でもっとも経済を動かしている業界はなんでしょうか?そう、金融業界です。世界で100兆ドル規模の経済を支えている業界でその影響力は絶大です。しかし中をのぞいてみるとそこには無駄な複雑性と時代遅れのシステムで成り立っていることがわかります。

金融業界はあらゆるものにコストをかけることで彼らのビジネスを発展させて来ました。しかし前回までのブロックチェーンの可能性を理解していただいている皆さんには、この既存の金融業界が動かしているお金の流れが無意味に思えてくるかもしれません。

 

少し具体例をみていきましょう。消費者AさんはB社の商品をクレジットカードで購入するとします。一見AさんとB社間の取引に思われますが、ここには最低でも二つ、クレジットカード会社と銀行を介しています。そしてそこに手数料が発生しているのです。

ではブロックチェーンはどのようなシステムだったでしょうか?ブロックチェーンではAさんとB社が直接やりとりができるようなシステムなので今までかかっていた不必要とも思われる手数料がなくなります。

また送金に関しても考えてみましょう。多国籍に展開してる会社が各国の視点から本社にお金が送金される時、そこにも銀行が介在しています。自分たちの会社に送金するだけなのに多額の手数料が取られてしまうのです。このプロセスをブロックチェーンは解決しようとしてくれています。

 

2つの例を見てみましたが、これらか銀行の既存のシステムがブロックチェーンに置き換わることによって大きく8つ変化が起きると考えられています。それは、

1、価値の移動

2、価値の保存(分散管理型)

3、価値の貸し借り(透明性)

4、価値の交換(瞬時)

5、資金調達(直接)

6、リスクマネジメント(ハッキング)

7、本人認証・取引認証

8、会計

 

今までが仮にストックエクスチェンジが行われていたのであると考えるならば、ブロックチェーン時代にはブロックエクスチェンジが主流になってきます。つまり上記8つが今までの銀行のシステムとは格段に向上するのです。

この動きにはウォール街も危機感をおぼえています。現にウォール街の中心人物とも呼ばれるような人が、ブロックチェーンのスタートアップを発足してその可能性にかけているという現実が起きています。

 

もちろん金融業界も指を加えてその変化を見守っているわけではありません。R3コンソーシアムやハイパーレジャープロジェクトといった組織が発足し、銀行のブロックチェーンの導入を考えられています。

しかしこれらの考えられ方は、ブロックチェーン本来のオープンなプラットフォームではなく、銀行の保身が目的となっているため、うまくワークするかは微妙なところです。

実際AmazonやNetflixなどのように破壊者は外からやってくるのが常で、業界の根本が大きくひっくり変えるときも遠くないかもしれません。

 

-イーサリアム(ETH)-

2015年7月30日、イーサリアムが産声をあげました。これはブロックチェーンを利用して、分散型のアプリケーションを動作させるプラットフォームのことです。このシステムはカナダ・トロントの一人の青年によって開発されました。

彼の目的は人間によるマネジメントを完全に廃し、スマートコントラクトが全体を制御する自立分散型の組織を作ることです。つまり平等な社会を作ろうとしているのです。

またイーサリアムはブロックチェーンを仮想通貨の取引のみのために作られたわけではありません。むしろ仮想通貨の取引ももちろんながら様々な取引をイーサリアムの取引で実現しようとしているのです。

個人的な印象ですが、今仮想通貨への投資を始めるならイーサリアムに投資するのがもっとも堅実だと、多くの仮想通貨を購入している人が主張しています。

 

イーサリアムが変革を起こそうとしているのは下記の4点です。今まで大きなコストや不平等があったところに鋭くメスを入れることが可能になるのです。

1、取引コスト

2、検索コスト

3、契約コスト

4、調整コスト

 

これらを従来の方法で行われていると多額のコストがかかってしまっていました。そして残念なことにあらゆる側面で不透明なことが多かったのです。しかしブロックチェーンで様々な取引が行われるようになることでこのような問題は全て明瞭化されます。

つまり私たちの社会はより平等な社会に生まれ変わることになるのです。そうインターネットの創世期にそう謳われていたみたいにです。

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以上ブロックチェーンは世界をどう変えるのか?を見ていきました。いかがでしたか?今回は前回までの概念的な話の代わりに具体的な例を用いてこれから起こりうる変革を見ていただいたので、よりブロックチェーンに対して理解を深めてもらったのではないかと思います。

次弾でも引き続き、ブロックチェーンは世界をどう変えるのか?を見ていきたいと思います。今回は金融と新しい企業について見ていただきましたが、次回ではビジネスモデルや物流、豊かさといった多方面から物事を見ていきたいと思います。

このブログでは『BLOCK CHAIN REVOLUTION』(著:ドン・タプスコット、アレックス・タプスコット)を数回に分けてまとめたものを紹介しています。全てを網羅しているわけではなく、なるべくブロックチェーンについて簡潔にまとめているので、全てをカバーしているわけではありません。私のまとめを見てブロックチェーンに興味が出てきた!!という人は是非実物を購入して見てください。ハードカバー・Kindle版ともにAmazonで買うことができます。早速反響をいただいてありがとうございます。ぜひ感想も合わせてコメントなどいただければと思います。一緒に理解を深めていきましょう!!

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