私たちの日常は偏見で満ち溢れている

 

本日3回目のテーマは、「認知バイアステスト」をみなさんとやってみたいと思います。

実はこれ、やっているとかなり凹みます(笑)なぜなら自分では頭でわかっていたことがこうも行動とは違うのかと思い知らされるテストだからです。

とはいえ目をそむけないでください。感情は自分を知るところから始まるからです。テストが終わった後で自分がどのように感じるか?そしてそれをどう活かしていこうとするかで、あなたがどんな感情インテリジェンスを披露できるかが変わってくるはずです。

それではみていきましょう

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【認知バイアステスト】

<高慢と偏見>

「能力の低い人ほど自分を過大評価する」という事実を知った時、次のどちらの反応が多いでしょう?

  • いるいる、そういう人
  • もしかしたら私がそうかも

 

 

 

→他人の顔は見えても、自分の顔は見えないように、他人の欠点には気付けても、自分の欠点には気付きません。だからヒトは「自分は公平で正しいのに、他人は視野が狭くて偏見に満ちている。」と考えます。

(バイアスの盲点)

 

 

<聖域なき行動観察>

研究室の学生たちに、ネズミ2匹を「一方は血統的に賢いネズミ、もう一方は劣ったネズミ」と説明しながら渡しました。

実はこれはウソの説明です。どちらのネズミにも差異はありません。

さて、ネズミの学習テストを行った学生たちは、どんな答えを出してきたでしょう?

  • 両方のネズミが等しい学習能力をもっていることを示すデータ
  • 賢いと説明されたネズミは、たしかに高い学習能力を示すデータ
  • 賢いと説明されたネズミは、実は学習能力が低いことを示すデータ

 

 

 

→ウソではなく本当に能力が高いというデータが表れます。なぜなら賢いと説明されたネズミを学生は大切に扱い、反対に劣っているネズミを雑に扱う傾向にあるからです。

教育現場でも医療現場でも同じです。見込みあると判断された対象者は実際に成績や回復が高まり、反対に目をかけられなかった対象者は成績や回復が低い傾向になります。

(ローゼンタール効果・ピグマリオン効果)

 

 

<ココロのゲリラ豪雨>

突然に雨が降り始めました。

職場の傘立てを見たら、なんといつもの私のビニール傘が見当たりません。

この時、どちらの推測をする人がおおいでしょうか?

  • 誰かがもっていったな
  • どこかに置き忘れたかな

 

 

 

→脳は成功を「自分の手柄」だと思い、失敗を「他人のせいだ」「不可抗力だった」解釈します。

 

人がやらないのは怠慢だから、自分がやらないのは忙しいから

人が出世したのは運が良かったから、自分が出世したのは頑張ったから

人が時間をかけるのは容量が悪いから、自分が時間をかけるのは丹念だから

人が上司に受けが良いのはおべっか使いだから、自分が上司に受けが良いのは協力的だから

人が仕事ができないのは才能が無いから、自分が仕事できないのは上司があほだから

人がテストに失敗したのは努力不足だから、自分がテストに失敗したのは問題が難しかったから

人がいわれていないことをやるにはでしゃばりだから、自分がいわれていないことをやるのは積極的だから

(自己奉仕バイアス)

 

 

<モノ言えぬ証人>

アガサ・クリスティは生涯で何冊の長編小説を書いたでしょうか?

実際には66冊ですが、解答の平均点は51冊でした。

そこでしばらく経ってから同じ人たちに正解の66冊を伝えたうえで、

「あの時、あなたは何冊だと推定しましたか?」と聞きました。

回答の平均値はどうなるでしょう?

  • 平均値は51冊で変わらない
  • 51冊よりも少なくなる
  • 51冊よりも多くなる

 

 

 

答えは、「51冊よりも多くなる」です。

脳は自己理想化が大好きです。なんと回答の平均値は63冊に増加しました。

一般に脳は「昔から自分はそうだった」と思い込む傾向にあります。

「かねてから私がいい続けているように…」「ほら、だからいったじゃない」

(一貫性バイアス)

 

 

<私という名の狂騒曲>

誰でも知っている有名なメロディーが、頭の中に流れています。その音楽に乗り、机をタップしつつ心地よくリズムをとっています。

周囲の人はそんなあなたをじっと見ています。曲名を当てようとしているのです。

どちらの期待を抱く人が多いでしょうか?

  • 私の刻むリズムから、どんな曲かをあてられる人はいるでしょう
  • 私の脳裏で響いている曲を当てるのは無理だろう

 

 

 

→(正しい解答は後者です)

脳は一度知ってしまうと知らない人の立場で物事を考えられなくなります。その結果自分の知っていることは相手も知っていると期待する傾向にあります。

「そんなこともできないのか?」「どうしてそんなに察しが悪いのか?」と判断するのは、指導不足の象徴です。

(知識の呪縛)

 

 

<周りはわかってくれない>

質問1 あなたは自分がどれほど人見知りであるかをどのくらい正しく理解していますか?

質問2 クラスの友人はあなたがどれほど人見知りであるかをどのくらい正しく理解してくれていますか?

質問3 その友人は自身がどれほど人見知りであるかをどのくらい正しく理解していますか?

質問4 あなたは友人がどれほど人見知りであるかをどのくらい正しく理解していますか?

 

次の二つの点数を比較すると、高得点だったのはどちらでしょう?

  • 友人が自分のことを理解してくれている度合い(質問2の点数)
  • 自分が友人のことを理解してあげる度合い(質問4の点数)

 

 

 

→質問4の点数が最も高くなります。

自分の理解力は全般的に他人よりも上だと考えています。これがエスカレートすると、周囲は私のことを理解してくれないが、自分は周囲をよく理解していると錯覚することになります。

(非対称な洞察の錯覚)

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以上認知バイアステストを一緒に見ていただきました。いかがでしたか?かなりどきっとした質問もあったのではないでしょうか?

人は自分を基準に物事を考えます。つまり自分都合主義とでも言いましょうか?そのため人は自分の基準からそれているとその人はおかしいと考えてしまいます。

しかし立ち止まって考えて見ると、人一人は違った個性を持っています。つまり自分の基準でしか物事を判断できない人は、相手からしてもあなたは変わった人であると判断されていると考えられます。

感情の観点から前回もお伝えした通り、感情の感じ方は人それぞれ異なります。それを自分から外れているからその人は変だと結論づけることは簡単ですが、今やっていただいた認知バイアステストを思い出してください。自分都合主義の考え方では、周りとうまく行かないことは明確ではないでしょうか?

 

次回は、認知バイアスについてなぜ私たちはこのように思っていしまうのかを理論的に説明していきたいと思います。今回のテストでどきっとした回数が多かったあなたは必見です(笑)

 

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